大学校歌・愛唱歌
「学生歌」誕生の頃を回顧して
都留文科大学名誉教授
作曲者 近藤幹雄
「花のかげ…」で始まるこの学生歌は、都留文科大学の前身市立都留短期大学発足2年めの昭和31年、石村正二先生作詞近藤幹雄作曲によって創作された。
短期大学発足の頃は、谷村高等女学生の一部を大学の校舎として使用し、教育環境も極めて質素なものであった。教授会の代表者らが学生達のための歌を作ろうという提案があり、作詞を石村正二助教授に、作曲を初等教育学科助手の私に依頼があった。石村先生は、気鋭の国文学研究者として学会からも大きな期待がよせられている方であった。先生の端正なお姿と、鋭い感性を秘めながらも深く優しいお人柄が思い出されて懐かしい。現在の都留市役所のあるところに大学の校舎があり、その入口に見事な桜が立ち、全国から集う若者を迎える入学式の頃には満開の花々が空を覆っていた。「花のかげ」の花はまさにこの桜花であると思う。北海道や沖縄をはじめ各地から集まった学生達は、皆誠実で真摯で互に熱い友情で結ばれていた。「結び合う心のちかい」「しあわせをすべての胸に」「新たなる歴史をおこす」など、この詞に溢れる言葉たちは、大学と学生達の未来への石村先生の熱い希望であり、それは私達みんなの願いにほかならなかった。石村先生は研究にも強い意欲をお持ちであったに違いない。「悔しい…」という言葉を最後に、病のため大月の病院で早逝された。「生命の讃歌」のリフレーンを聞く度に深く胸打たれるのである。優れた詞を拝見した時から、歌いやすい旋律にし、「生命の讃歌」を曲の頂点におこうという構想はあったのに、つい作曲に取り掛かるのはおくれてしまった。書き初めたら一晩でなんとかまとまりほっとしたものだった。この学生歌が今日でも歌い継がれていることは誠に嬉しい。今回の行事に際し、レコーディングなどに大変お骨折りいただいた清水雅彦先生はじめ多くの皆様に厚くお礼申し上げます。
(都留文科大学創立60周年記念記念CDジャケットより転載)
学生歌「花のかげ」
作詞 石村 正二
作曲 近藤 幹雄
編曲 山下 祐加
- 花のかげ 集える友は
青空にみなぎる力
結び合う 心のちかい
生命の讃歌 みちあふれて
こだまは返す おお都留大学 - 緑こき 山のかなた
富士の嶺 紫匂う
仰ぎみる 高き理想
生命の讃歌 みちあふれて
こだまは返す おお都留大学 - 紅葉照る 桂川岸
わきいずる 愛の泉
しあわせを すべての胸に
生命の讃歌 みちあふれて
こだまは返す おお都留大学 - 城山の 雪の下より
新たなる歴史をおこす
学び舎に真理の光
生命の讃歌 みちあふれて
こだまは返す おお都留大学
楽譜ダウンロード
都留文科大学学生歌「花のかげ」[PDFファイル/1.38MB]
※注意 学生歌の著作権は、公立大学法人都留文科大学に帰属します。
都留文科大学創立60周年記念 愛唱歌「都留はuniverse」誕生に際して
都留文科大学には創成期に制作された学生歌「花のかげ」(作詞:石村正二、作曲:近藤幹雄)があり、現在でも式典に於いて演奏されるだけでなく、全国の同窓会支部の集まりで歌われるなど、年代を越えた文大生に愛され続けています。創成期から大学の発展を祈り、力強く歌われているこの「生命の讃歌」に合わせ、第二学生歌とも言うべき愛唱歌を作成しさらなる大学への愛好を深めたい、そうした思いからここに「都留はuniverse」が誕生いたしました。この愛唱歌は合唱版だけでなく、管弦楽版、吹奏楽版も同時に制作されています。さらにモダンダンスサークルには、演奏に合わせたダンスを創作していただきました。今後、多くの場面でこの愛唱歌が流れ、大学の現在(いま)と未来を繋いでくれることを確信しています。
平成27年10月10日
都留文科大学創立60周年記念事業期成会
都留はuniverse
1.坂踏みしめて 仰ぎ見る
春の 私の 夢のはじまり
町縫う清水 鮮やかに
夏の 私の 胸のきらめき
互いの訛りが心地いい
小さな日本に 私は、いる
welcome 誰にでも
hometown 新しく
entrance どこからも
そう 都留は universe
2.山並みはなお 染まりゆく
秋の 私の 意志の深まり
凛々しく富士は 聳え立つ
冬の 私の 旅のはじまり
互いの違いが愛おしい
大きな世界に あなたと、いる
welcome 誰にでも
hometown 新しく
entrance どこからも
そう 都留は universe
”All The World's A Stage"
確かな現在を演じたい
遥かな未来を胸に抱き
welcome 誰にでも
hometown 新しく
entrance どこからも
そう 都留は universe
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