研究室 & ゼミ紹介(学校教育学科)1
退職するまで勉強し続けるのが教員。
「勉強しなくなったら教壇から去れ」そんな厳しい言葉も、折に触れ、学生に伝えています。
私のゼミは「算数・数学教育学」です。教科教育は数学に限らず、「教科の専門性」「学習者(児童・生徒)の実態(学習心理学や認知心理学的な側面)」「教育学」の3つの方向からアプローチすることが求められます。算数・数学の授業は、ただ単に問題を与え、解かせているだけでも授業が成立してしまう特殊性があります。しかし、それでは算数・数学の有用性を理解し、算数・数学を勉強してよかったと思ってもらえるような教育にはつながらないでしょう。そこが算数・数学教育の難しさです。算数・数学で身につけてほしいことは、未知である解決の対象と出会った場合、どのように解決すればよいかを考え、対応できる力、物事を冷静に正しく判断する力、物事を鵜呑みにせず一歩立ち止まり、正誤や採否について冷静に思考できる力です。学生たちには、児童・生徒のそのような力を育てることができる教員になってほしいと考えています。
「ゆとりの時代」があったことからもわかるように、社会が学校教育に求めることは時代と共に常に変化していきます。学生たちが、自分は教わってこなかったことも教えなければならない場合があるかもしれません。だからこそ教員は教員である以上最後まで勉強し続けることが必要です。「免許」とは、基本的にやってはいけないことについて、その制限を免除し、行うことを特別に許可する証しです。教員免許は子どもたちの長い人生を預かることを許可する非常に重い意味を持ちます。子どもたちに「勉強しろ」と言うならば、教員はそれ以上に勉強しなければいけません。「勉強しなくなったら教壇から去れ」、厳しく聞こえるかもしれませんが、本学で学んだ学生たちには自覚を持って襟を正して教壇に立ってほしい、そんな思いで学生たちには折に触れ、この言葉を伝えています。