公立大学法人 都留文科大学

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地域社会学科

研究室 & ゼミ紹介2

更新日:2022年4月1日 ページ番号:0008788

授業風景

日本の農山村で起こっている問題は、
世界の様々な問題とつながっています。
自分の故郷で起こっていることも、
その一つかもしれません。

福島 万紀 先生
福島 万紀 先生

 私は自然資源、とくに森林資源の持続的な利用や管理について関心を持っています。日本と海外では、自然資源の利用をめぐる状況が大きく異なります。日本では戦後の高度経済成長期に産業構造が大きく変化する過程で農林業の採算性が悪化し、農家の後継者の多くが都市部の他産業に従事するようになりました。その後、日本の農山村の里山の多くが放置され、野生鳥獣による農作物被害も多発しています。
 一方、東南アジアなど海外では日本の高度経済成長期の木材需要に応えるため、熱帯木材を大量に伐採・輸出しました。その後、大規模プランテーションが拡大し、現地の農家の生業や生活の場を奪う事態も発生しました。日本の自然資源の過少利用の問題の裏側には、つねに遠い外国の自然資源の過剰利用の問題が存在しています。
 農山村再生論ゼミでは、暮らしの場であり、生産の場でもある農山村の社会や環境がどのように変遷してきたかを学び、現在にいたるまでどのような問題が起こってきたかを探ります。現在の日本の農山村をとりまく問題は、農林業にかかわる問題だけでなく、地域コミュニティの存続や地域文化の継承の問題まで多岐にわたります。
 ゼミのメンバーは、卒業論文研究において考えたいテーマに向き合いながら、日本各地にフィールドワークに出かけていきます。自分の故郷で起こっている問題について探求する学生もいます。農山村で起こっている問題の根本を探り、解決策やその道筋を考え、議論しています。