研究室 & ゼミ紹介4(地域社会学科)
更新日:2024年5月1日
ページ番号:0010980
自分の関心を言葉にし、
ゼミの仲間と共有する
田中 里美 先生
地域社会論ゼミは、社会学をベースに地域にアプローチしています。ゼミの場で、「地域活性化に関心があります」と発言する学生がいれば、「"地域活性化"って何? 何をどうすることが活性化なの? 何で計れるの?」とつっこまれる、それが地域社会論ゼミです。
実際の地域社会論ゼミにおける学生の研究テーマには、生活圏として地域をとらえているものが多く見られます。買い物、学び、食などといった生活の場面、住まいを中心に、比較的小さな地理的な広がりがその生活にとって重要な意味を持つ人、それらに関心を向ける学生が集まっています。
現場に実際に行って、自分の目で見ること、事情に詳しい人を見つけ、話を聞いてみること( 研究対象によっては、地域で行われている様々な活動の構成員の一人となって、対象を観察している学生もいます)、また、人口、産業、歴史などといったインターネットを通じてアクセスできる資料を、データの信頼性を確認したうえで利用すること、図書館を利用して先行研究を渉猟、検討することを通して、自らの研究対象、そして自らの研究の特徴を明確にしていきます。中には、人々の生活実態と、これを支える既存の制度の齟齬を見出し、現場の人と一緒に、課題を解決し得る新たなしくみを考え、作り出すことに踏み込む学生もいます。
最後に、また最も大事なことについて。地域社会論ゼミでは、卒論の研究テーマは、学生が自ら決めています。自分の関心を言葉にし、これをゼミの仲間と共有する、自分とは異なる関心を持つ人の存在を認め、議論を通じて、お互いの研究の進展を促進する。ゼミはそれ自体が一つの社会であり、お互いがお互いの社会の窓となっています。