授業紹介【地学基礎実験】
地学基礎実験
地学は、物理、化学、生物の
領域を含んだ総合科学。
推理小説を解き明かすような
おもしろさがあります。
地学は天文学から地球科学まで、幅広い分野を対象とする総合科学。地学の考察には物理、化学、生物を含め、理科の4分野すべての知識が必要です。宇宙分野では物理学的な計算が必要ですし、鉱物を調べるには化学的な知識などが必要です。また、人類誕生後の時代を対象とした地質調査では、歴史学や社会学の知識も必要となります。たとえば同じ崖の地層を見ても、その崖からどれだけの情報が引き出せるかは、観察する人によってまったく違います。自分がこれまでに学んだ知識、根拠となるデータをもとに論理的に考えていく作業は、まるで推理小説のように壮大な謎を読み解くおもしろさがあります。
学生にはこうした地学のおもしろさを小学生や中学生に伝えられる力を育んでいって欲しいと考えています。
この講義を履修している先輩の声
私は小学校と中学校理科の教員免許取得に向けて勉強中です。どちらを目指すか、まだ迷っているところです。教師を目指そうと思ったきっかけは、小学校6年生のときの理科の授業。昆虫採集や植物観察、野菜の栽培のような自然と触れ合う機会が多くあり、土の匂いや感触、みんなで協力して育てた野菜を食べた喜びなど、楽しかった記憶が今も残っています。小さな昆虫にも命があり、植物のライフサイクルが一様でないように、人も皆、違っていていいことを学び、多種多様な命のつながりや生き方を授業で実感することができました。「地学基礎実験」の授業では学生側の立場で学ぶだけでなく、教師の視点を持つことができるようになったと感じています。私も子どもたちに自然と共存することの大切さや、楽しさを伝えられる先生になりたいと考えています。
「地学基礎実験」ってどんな授業?
「地学基礎実験」は、自然環境科学系および中学校教諭免許(理科)取得のための必修科目です。現在は地学の授業を開設していない高校が多く、中学校までしか学んでいない人がほとんどです。この授業では、少ない授業数でも子どもたちの興味・関心を引き出せるよう、小学校・中学校の教科書に示されている基礎的な実験や観察を少人数の班で行い、実験・観察の方法、コンピュータを利用したデータの収集、実験結果や収集データの解析方法とまとめ方を各自が身に付けます。