研究室 & ゼミ紹介6
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教育の現実を
教育理念と社会的背景に結びつけて、
子どもたちにとって
最適な教育の在り方を考える

「教育を学ぶ」というと、多くの方は授業づくりや生徒指導等の教育実践活動や、それを支える理論・思想を学ぶことを考える方が多いと思います。しかし、もう一つ大切なのは、教育理念や素晴らしい実践が実際に教育活動の中で実現できる条件を整えることです。教育制度研究室では、こうした実践活動を支えるための条件や、教育理念が反映される学校の在り方、地域との関係を研究しています。
ゼミの中では、教育制度や法規の機械的暗記をするのではなく、子どもが生き生きと活動している素晴らしい教育実践の事例などを取り上げ、それを支える制度や学校・地域の理念の在り方を研究したり、子どもの思いを実現する教育とはどのような権利や理念なのかを解明したうえでそれを実現する授業づくり・学校づくりについて、具体的プランを考えたりする等の研究をしています。
昨年度は、教師の多忙化の解消について、子どもとかかわる時間の確保の点から、どのように進めるべきなのかについて現職の先生にインタビューを通じて研究したり、地域を担う主体としての子どもをどのように育てるかを地域教材づくり等の研究を通して考えたりしており、いわゆる制度の分析だけでない現実から教育を支える社会的・制度的背景に迫る内容を取り扱いました。
教員養成課程にある教育制度研究室は、法律の専門家を養成するのではなく、教師として教育実践にたずさわることのできる力量を育てることが目的です。ゼミの学生達は、個性豊かな探究心と多様な経験を活かしながら、それをもとに議論し学びと教育に対する視野を深めています。また、学年を超えた積極的な議論の場も設けることで、多角的な視点から物事を見つめる力を育んでいます。