公立大学法人 都留文科大学

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国文学科

授業紹介【日本文化テーマ研究Ⅱ(近代)】

更新日:2022年4月1日 ページ番号:0008774

授業風景

日本文化テーマ研究Ⅱ(近代)

夏のゼミ合宿の写真
『砂の器』関連資料
ビブリオバトルで紹介した本を手にするゼミ生たちの写真
『砂の器』の舞台の「亀嵩(かめだけ)」にも行ってきました。

文学作品を読み解くことは、
私たちが生きている
世界の事象を読み解くこと。
その力の一端を身に付けて欲しい。

 文学作品にはいろいろなしかけが施されていたり、謎が含まれていたりします。批評理論の方法を援用することで、ただ漫然と読むだけでは気付かない、その作品がはらんでいる様々なたくらみやしかけ、謎を解明していくのが“読み解く”ということ。この授業では松本清張の『砂の器』を題材としていますが、ここで学んだ読み解きの方法を各自の読みの現場で実践し、これまで見えてこなかった読み解く楽しみを感じてもらうことが、私の一番願っているところです。文学作品の中の世界は私たちが生きている世界とつながっています。文学作品を読み解くことは、世界の事象をどう読み解いていくかということ。授業を通じてその力の一端を身に付けてもらえれば、と考えながら授業をしています。

この講義を履修している先輩の声

 15回の講義の中で「たくさんの作品を読む」、もしくは「一つの作品を丁寧に読んでいく」という授業はほかにもあるのですが、「一つの作品をさまざまな角度から読む」という講義内容に興味を持ち、この授業を履修しました。自分に足りないと感じていた、作品を多くの物差しで読む、いろいろな方向から切り込んで読んでいくという力を身に付けることが目標です。毎回のレジュメと授業内容は90分ではとても吸収しきれないような興味深いものばかりで、一つの作品への理解や関心がどんどん膨らんでいく感覚を楽しく思います。毎週新たな読みを発見することができ、その日学んだ角度から自分がゼミで研究している作品を読むことができるだろうか、読むとどんなことが見えてくるだろうか、と考えながら帰るのは、私にとってとても楽しい時間です。

「日本文化テーマ研究Ⅱ(近代)」ってどんな授業?

「日本文化テーマ研究Ⅱ(近代)」では一つの作品を文学だけでなく、映画などの他ジャンルとのかかわりを文化研究という視点から読んでいく授業です。「日本文化テーマ研究Ⅱ(近代)」で題材としている、松本清張の小説『砂の器』は、1960年に新聞紙上に発表されて以来、映画化、テレビドラマ化され、近年に至るまで日本人に愛されている作品です。『砂の器』という作品への理解を深めるだけでなく、「作品を批評的に読むとはどういうことか」についての理解を深め、他作品の解釈にも応用できる力を身に付けます。

田中 希和さん
田中 希和さん
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