公立大学法人 都留文科大学

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英文学科

研究室 & ゼミ紹介(英文学科)2

更新日:2021年3月26日 ページ番号:0005066

授業風景

世界を見る「ものさし」をたくさん持つことで、 今持っている思い込みから生まれる不安や悩みから自由になってほしい。

加藤めぐみ先生
加藤 めぐみ 先生

 私は20世紀初頭のモダニズム の時代に、新しい文学、ジェンダー、 世界のあり方を探究した女性作家、ヴァージニア・ウルフを 研究しています。100年近く前に、そして日本から遠く離れ たイギリスで書かれた作品でも、私たち が2 1 世紀の今を生きるためのヒントが 満載です。  私のゼミでは、イギリスの文学や映画を 解釈・分析・議論することで、英語力、文章 解析力を高め、イギリス文化、社会、歴史 について学んでいきます。ゼミでよく取り 上げるのがヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』。セク ションごとに担当者を決めて作品が提示するさまざまな テーマ、生と死、正気と狂気、戦争、政治、親子関係、結婚、宗教、 老いなどを拾い上げ、解釈・分析して発表します。他者の解釈 を聞き、もう一度自分で読み返すと、一度目とは違った解釈が 生まれ、複数のものの見方ができるようになります。  ジェンダー、セクシュアリティ、人種差別、記憶、トラウマ、 DV、格差、貧困…、世界レベルではもちろん、私たちの周辺、 また私たち自身も常にさまざまな不安や悩みを抱えています。 しかしこの不安や悩みは、実はある決め られた思考の枠組み、こうでなければな らない、こうあるべきだ、というある種の 思い込みによるものであることが少なく ありません。文学を通じて物事を見る 「ものさし」をたくさん持つことが、不安や 悩みから自由になるきっかけとなれば、 と考えています。  現在はコロナ禍で控えていますが、私のゼミではお食事会 や映画鑑賞会、ゼミ室でのアフタヌーンティーパーティー など、和気あいあいとした雰囲気の中でイギリス文学・文化を 一緒に楽しんでいます。

卒業論文発表会

 「ゆとりの時代」があったことからもわかるように、社会が学校教育に求めることは時代と共に常に変化していきます。学生たちが、自分は教わってこなかったことも教えなければならない場合があるかもしれません。だからこそ教員は教員である以上最後まで勉強し続けることが必要です。「免許」とは、基本的にやってはいけないことについて、その制限を免除し、行うことを特別に許可する証しです。教員免許は子どもたちの長い人生を預かることを許可する非常に重い意味を持ちます。子どもたちに「勉強しろ」と言うならば、教員はそれ以上に勉強しなければいけません。「勉強しなくなったら教壇から去れ」、厳しく聞こえるかもしれませんが、本学で学んだ学生たちには自覚を持って襟を正して教壇に立ってほしい、そんな思いで学生たちには折に触れ、この言葉を伝えています。