授業紹介【東西文化交流史】
東西文化交流史
「古代」には近代に「発見」され
価値を見出された側面がある。
古代の東西文化に焦点を当て、
誰がどのように価値を見出したの
かを考察する。
一般に「シルクロード」と呼ばれるのは、一本の道ではなく、モノと人と情報が行き交うネットワークで、紀元前から交易は確認できるものの、西にローマ帝国、東に漢帝国が成立した頃から動きが活発になります。そうしたネットワークを「シルクロード」と名付けたのは19世紀のドイツ人でした。このように、今私たちが目にする「古代」には、近代に「発見」され、価値を見出されたという側面があります。この授業ではIBの歴史教育の手法を応用し、各種史料を批判的に用いて、「古代」の何がどのような史料からわかるのか、また、近代においてはどこの誰が、どのように「発見」していったかを考察します。
この講義を履修している先輩の声
視野を広げ、知識を深める学びの楽しさを大切にしたい
地域別ではなく東西の繋がりを中心に歴史を学べる点に魅力を感じ、東西文化交流史を受講しました。特に印象に残っているのは、史料批判を行った講義です。誰がどのような目的で残した史料なのか、史料から見えてくる情報と見えてこない情報は何なのかをグループで分析しました。史料をさまざまな視点から疑問を持って見直すことができ、自分の視野が広がりました。東西文化交流史をはじめ、都留文科大学で多くの講義を受け、幅広い知識と視野が身についたように感じています。多様な価値観に触れることで、学びを深めていく楽しさにも気がつくことができました。これからも学ぶ楽しさを忘れず成長していける人になりたいです。
「東西文化交流史」ってどんな授業?
歴史教科書に繰り返し出てきて、私たちの誰もがその名前を知っている「シルクロード」は、近代において歴史的な東西交易や東西文化交流に意味を見出され、西欧人によって名付けられた概念です。また古代シルクロードへの眼差しは日本と他国では大きく異なります。この授業では古代シルクロードの東西交易を、遺跡・遺物・史料などから読み解く前半と、そうした史料・資料が近代においてなぜ、そしていかに「発見」されたのかを考察する後半によって構成されています。