研究室 & ゼミ紹介4(国際教育学科)
グローバルに通用する
探究スキルを身につける
佐々木ゼミでは、国際バカロレア教育の枠組みから得られる知見を中心に、教室外でも通用する探究スキルを身につけるための思考実験を行っています。
みなさんは、学問的エビデンスというとどのようなものを思い浮かべますか? 具体的な事実、データ、論理などを思い浮かべるかもしれませんが、エビデンスをもっと広いものと捉えるとどうなるでしょう?特に芸術や文化の領域では、私たちの感情も有効なエビデンスとして機能することもあるのではないでしょうか?そこで必要になるのが、瞬時に消え去ってしまいそうな「直感」や「感動」をつかみとり、自分の思考として定着させる訓練です。
当ゼミでまず、大切にしていることは「ゆっくり見る」というアプローチです。自分の周辺世界のあらゆるものを情報源としてデータを集める練習です。ちょっと試してみましょう。身近なもの - 文房具や庭の雑草 - 何でも構いません、それをゆっくりと見つめ、感覚を研ぎ澄まして、対象に深く入り込んでみてください。そして、思い浮かんだことに対して「なんでそう思った?」※と問いかけてみてください。
この練習を重ねて行くと、思考とは直線的なひとつのプロセスではなく、層状のものであるということがわかってきます。さまざまな事象の表面だけではなく、その奥に潜む複雑さを明らかにすることで、「知る」ということに対する好奇心はかき立てられ、考える人の主体性が解放されます。学生時代が終わってからもずっと続いて行く人生の探究に、「なんでそう思った?」と問いかける態度は絶対に有効なのです。
※ “What Makes You Say That?” - Adapted from Harvard Project Zero Thinking Routine