研究室 & ゼミ紹介3
人間の行動を科学的に理解し、
当たり前を疑う:
教育・学校心理学について対話するゼミ
心理学というとどんなイメージを持ちますか?「他人の深層心理を理解するもの」と考える方も多いかと思います。私も高校生の頃はそう思っていました。しかし、大学で履修した心理学入門の初回授業で心理学とは「Science of human behavior(人間行動の科学)」だと示され驚いた記憶があります。さらに様々な心理学の授業を取る中でもっと驚いたことは「問題行動を起こす子どもの問題点は適切な行動を教えられていないこと」「大人側が適切な行動をしっかり教えていないのに問題行動を責めるのは間違いである」と教わったことで、目から鱗がボロボロ落ちる気がしました。そして問題行動を正すための科学的なアプローチが確立されており欧米では救育現場での実践が蓄積されている点にもショックを受けました。それまで私が日本の学校で繰り返し伝えられていたメッセージは「X年生なんだからXXができて当然」「みんなができているのだから同じようにやるのが当たり前」「出来ない子は問題」というものでした。しかし行動の科学である心理学のアプローチで子どもの問題行動の予防や教育現場の課題を解決するというマインドが広がってほしいと願っています。そこで科学的な視点で研究ができるようになるために、ゼミの初年度では基礎的な統計学を学びつつ研究論文を読み込んで力をつけていきます。世界ではこのような問題に対してこんな解決法が研究されているのかと発見することを楽しんでもらいたいと思います。そして自らの問いに対して仮説を立て、データを収集し、分析した後に考察すると言うプロセスを通して卒業研究を完成させます。皆さんと一緒に面白い研究論文を読みディスカッションできるのを楽しみにしています。