研究室 & ゼミ紹介3
「戦争」の過去・現在・未来を考えることを通じてあるべき平和を模索する
皆さんは「戦争」という言葉を聞いた時、何を真っ先に思い浮かべるのでしょう。第二次世界大戦後、日本の軍隊が直接戦争の当事者となることはありませんでした。ですから「戦争」と言われても、あまりピンとこない人が多いかもしれませんね。
私の専門は日本近現代史です。とくに日本が中国において行った戦争について研究してきました。私が担当している「戦争・平和論」「現代世界とジェノサイド」という授業や3・4生ゼミでは、「比較」という意味で、日本だけでなく近現代のさまざまな戦争のことをとりあげます。なぜ戦争が開始されるのか?戦争のなかで何が起きるのか?一般の民衆は戦争のなかでどのような被害にあうのか?これからの戦争はどのようはものとなっていくのか?そのような疑問に、私が示したり、またみんなが自分で見つけたさまざまなデータをもとに、自ら考えて、自分なりの答えをもってらえるように授業を進めていきます。
具体的には、ナチスドイツのホロコースト、731部隊など日本軍の戦争犯罪、日本軍の特攻隊、戦時下の市民生活や文化、ベトナム戦争以後のアメリカの戦争、国連の人道的介入(ルワンダ紛争、旧ユーゴ紛争)、日独の歴史認識や戦後補償の相違、といったテーマを通して、大規模な迫害や加害がどのようなメカニズムで発生したのか、戦争被害の規模や実態はどういうものなのか、戦争が生活や文化にあたえる影響、戦争が兵士の精神を病んでいく状況、実際に戦争(紛争)が起きてしまったときに、それを抑止したり、被害を小さくするために、国際社会は何ができるのか、戦争をめぐる歴史認識やその被害への補償はどうあるべきなのか、といったことなどについて考えて行きます。
今日の世界では「戦争」のもとで命を落としていく人びとがまだ絶えません。「戦争」をなくすためには、「戦争」とは何かを知らねばなりません。皆さんもその一歩を踏み出してみませんか。